モテたいピンク
お気に入りのパステルピンクのイヤホンを耳にぶっさしてウォークマンの電源を入れる。
荒んだ心に大音量で流れてくるのは大森靖子ちゃんの声。
「モテたいモテたい女子力ピンクと
ゆめゆめかわいいピンク色が
どうして一緒じゃないよ あーあ」
コレ、わたしのこと歌ってる。
可哀想なくらい痛いけど、ホンキで思っちゃった。
部屋は真っ暗で、窓は開けっ放しにして、耳には靖子ちゃんのかわいい歌。
そんな中でわたしはスマホをぽちぽち。
見てるのはラインとかtwitter。
twitterでリア充たちの幸せ自慢見ながら先輩からのラインを待ってる。
彼氏持ちのあの子が、クラスでかっこいいって噂の男の子にぶりっこしてる。
うざって思いながら、どっかで羨ましいって思ってるのかな。
いいもん。わたしとあんたは違うの。
誰にでもほいほい良い顔するなんて真っ平ごめん。
わたしはこの物語の主人公なんだから。
一番かわいいのはわたし。
ホンキでそう思ってる。
なのに彼氏がいるのはなんでかわたしよりブスな子ばっかり。
なんでだろう、ってあ、そっか。
わたしは性格がブスだからか。
こんなこと、一人でばかみたい。
ホントはtwitterの本垢で苦しみとか痛み全部を吐き出したい。
誰かわたしのこと聞いて!かまって!
だけどそんなこと言って先輩に嫌われたくないし。
メンヘラだ、って思われたっていいことないし。
あーあ。
どうしてモテたいピンクとゆめかわいいピンクが同じじゃないのよ。